エッセイ

人を笑顔にするもの

なかなかコロナ感染6波の出口が見えません。
感染者、濃厚接触者が近くまで来ています。皆さん、耐えています。

いちごパフェ
私の外来の患者さんたちも落ち着いていれば、状況を確認してお薬を渡す、ということも増えていて、毎日外来は静かです。
とは言え、エッセンシャルワーカーたちは黙々と働いてくださっています。
そんな若者たちが診療所にも寄ります。
彼らの働く様子ををみると頑張っているなあ、と親や祖母の(笑)気持ちになります。
虐められないように、粗末に扱われないように、人権を守られるように、と祈る気持ちにもなります。
世の中の空気が荒れてますからね。
たまたま、クリニックにたくさんのフカフカのパンやドーナッツが差し入れられると、彼らにも、お福分けすることもあります。

スーパーマーケットでたくさんの食材を買い、自転車の後ろの荷台にいれ、帽子を被り、マスクをして、鬼のような形相で(多分、笑)坂道を漕いでいたら、青年が声をかけてくれました。
「先生!昨日のメロンパン、めっちゃ美味しかったです、ありがとうございました!」
その眩しい笑顔!私も笑顔を返しました。
こんな変装しているような私を認識してくれたことに、一番驚きつつ。
君が頑張っていることを、私たちは知ってるよ!と心でつぶやきました。
人を笑顔にするのは、もちろん美味しいものもあるけれど、お互いを思いやるささやかな温かさかもしれません。