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永六輔さん来甲、大震災を語る

120604_03.jpg(山梨日日新聞 2012年5月22日より)
東日本大震災後、被災者をはじめ多くの人々の心をとらえた歌「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」。いずれの作詞も手掛けた永六輔さんがこのほど来甲し、被災者への思いや命について語った。


 被災地に足を運んでいる永さん。「家族や仲間を亡くした人の話を聞くでしょ。でも、どういう悲しみであっても、僕が補えるものではない」
 被災者の深い悲しみに触れたとき、星の話をするという。「星は何百億年をかけて死んでいく。自分の年齢と比べて考えると、皆さんほっとするのではないかと思って」。星と人の命の話は、被災地で役立っているそうだ。
被災地復興、市民の力に期待
「上を向いて!」「見上げてごらん!」は、生きる意味を見失った被災者を勇気づけたり、震災関連イベントなどで歌われたりすることも多い。これらの曲が「被災者を励ますとは思ってもみなかった」と言うが、命への思いは深い。全国各地を回
り、在宅ホスピス医・内藤いづみさん(甲府市)と命について対談してきた。
 震災を経験し、命の尊さが見つめ直されている今を永さんはどう見ているのか。「命を一番粗末にするのは戦争で、粗末にする教育をしないと戦争にはならない。命を大事にしようという機運が起きてきたら平和で、今はその方向に向いている」と感じている。
被災地の復興への道のりは険しい。全国各地へ避難したままの被災者もいる。しかし、必ずしもマイナスにはとらえていない。「行政がやってくれないから、自分たちでやったらうまくいったという事例が少ないけど出てきている。それは良い方向で、今までにない町おこしができるのでは」市民の力に期待を寄せる永さん。
「全国各地に避難している人たちを横につなぐことが大事。みんなが中央を向くのではなく、地方にいる人々がつながることで生まれるものが楽しみ」