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遊考 いのちの不思議な物語

(NHK学園高等学校専攻科社会福祉コースCS通信より)
 今春、親しい人が末期がん余命1ケ月を宣告されました。「生きたい」という本人の願いを家族は受け止め、本人同様に不安と恐れを抱きながらも、よくよく話し合い本人の意思を尊重し抗がん剤治療を選択しました。幸いにも効果があり、治療を継続しています。お見舞いでの心のつぶやき、小さな希望のひとつ、秋、古希を祝いたい。

141216_01大きな希望のひとつ、東京オリンピックを観戦し、最期は自宅がいい。夏が過ぎ小さな希望は、もう少しでかなえられそうです。

 入院中、病院の食事を密かにひかえ、自らトースターを持ち込んで焼きたてのパンを食べる。家族が持参する手作りのお弁当を楽しみに食べる。ささやかなわがままを実践。タバコは夢の中と苦笑い。退院後、家族の心配をよそに現場に赴き仕事の采配をし、体調が整えば九州旅行を実現させる。
それでも病気はゆっくりと進行し、転移の報告を受けています。

 内藤いづみ先生からの応援

 多くのいのちに寄り添ってこられた内藤いづみ先生の『いのちの不思議な物語』が、心の支えになりました。本書にはいのちのドラマが、13の物語として綴られています。私自身いのちと向き合い、笑顔でさよならがいえるのだろうか?いのちの最期を未練なく受け入れることができるのだろうか?未練を残さない生き方が、逝き方の極意?だから残しておきたいことは残る人に頼む。先生の親友、永六輔さんは語っています。

 内藤先生からの暖かいメッセージは、永さんが作詞された「生きているということは」という歌と共鳴しあいます。いのちに囲まれて生きる。
支え支えられる。助け助けられる。
いのちの不思議な物語は続きます。

「生きているということは」永六輔作詞

 生きているということは
 誰かに借りをつくること
 生きていくということは
 その借りを返してゆくこと
 誰かに借りたら 誰かに返そう
 誰かにそうしてもらったように
 誰かにそうしてあげよう
 生きているということは
 誰かと手をつなぐこと
 つないだ手のぬくもりを
 忘れないでいること
 めぐり逢い愛しあいやがて別れの日
 その時に 悔やまないように
 今日を 明日を 生きよう
 人は一人では生きてゆけない
 誰も一人では歩いてゆけない

3年前「がんばろう東北」応援プロジェクトで、CSけやきの会にエールを届けに来て下さった内藤先生。車いすで登場された永さん。あらためて今「逝き方・生き方」を学びなおしています。(文・伊藤由紀子さん)