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高齢者の安心を応援 皆の笑顔が仕事の活力に

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富士の国 シニア山梨だより 2013年夏号より

いのちを医療から自分のものとして取り戻し一人の人間として生きることを支えるホスピスケアの第一人者として高齢者の安心を支え、また県青少年協会理事長として子どもたちの育成にも活躍する内藤先生に今の活動や健康法について伺った。

現在、どのような活動を?
午前中は内科医として一般の診療をしています。午後は、ホスピスケアでグループホーム訪問や訪問診療、講演などの文化活動をしています。在宅でのホスピスは、24時間体制です。病院で診るより責任が重いですね。お風呂に入っている時も、なにかあったらと気になります。講演などで出掛ける時も、患者の近くの病院や訪問看護の方、家族の方に予定を伝えて「お願いします」と、言って行きます。

ホスピス医になろうとしたきっかけは?
 目の前で苦しんでいる患者さんに何ができるのか、と考えた結果がホスピスでした。私が医者になった30年前、患者さんが病院の中で何も知らされずに痛みに苦しんで、死んでいっていいのだろうか、と考えました。それが原点ですね。

在宅ホスピス医として多くの患者さんと接してこられたと思いますが。
 いろいろな患者さんを拝見しました。食道がんのおじいさんが家に帰りたい、と言って自宅で孫やひ孫に囲まれて最期を迎えたのですが、大好きな庭いじりと晩酌の焼酎も楽しんでいました。亡くなる一週間前くらいでしょうか、寒い中、チューリップの球根を植える作業をしていたので、「寒いのであとにしたら」と声をかけると、「今、植えておかないと孫やひ孫が来た時に見られないから」と黙々と作業を続けていました。その姿を忘れることができません。

老人クラブの皆さんに伝えたいことがあれば。
 在宅ケアについては、国が「できるだけ病院ではなく家で過ごしてくれ」と方針を転換したことで、広がる傾向にあります。球根を植えていたおじいさんの話ですが、亡くなった後に、枕の下に、チラシ広告の裏に書きつづった「日記」がありました。亡くなる一日前には、「きょうもいい日だった。明日も前向きにいこう」と書いてありました。お金がないとすばらしいケアや最先端医療を受けられないと考えがちですが、本人の前向きな気持ちと、それを支える医療チーム、そして家族の力があれば、こういう普通の方がすばらしい生き方ができるということをご理解いただけたら、と思います。

ご自身の健康法は?
 自転車で走ることですね。ここ(甲府市緑が丘)から岡島百貨店まで、自転車で行きますよ。いろんな健康法があるでしょう。興味を持って私もするんですが、あまり真剣にやらないこと、こだわり過ぎずにやっています(笑)。