メディア出演情報

終末医療の連載に反響

(山梨日日新聞2022年9月2日より。)
英国でホスピスを学び、帰国後すぐに出演したNHKの番組を見て、山梨日日新聞の記者さんが連絡をくれました。


地元に貢献したいと山梨に帰ってきたものの、どう発信していこうかと思っていた矢先の1991年、連載「ホスピスへの道」の執筆が決まりました。
タイトルは記者さんが考えてくれました。
連載に対する読者や看護師からの反響は、大きなものでした。医師からの賛同は得られませんでしたが…。「ホスピスで最期を迎えたい」という人からの相談が相次ぎ、数多くの講演会に呼ばれるようになりました。
しかし緩和ケア実現への道のりは平たんではありませんでした。当時は在宅医療のシステムがなく、保険適用できませんでした。生活の質(QOL)向上のためにモルヒネを使う選択肢も知られておらず、医療者にも患者にも偏見があったと思います。
連載は1年続きました。掲載から今年で約30年、タイトル通り、ホスピスへの道をひたすら歩んで30年でした。緩和ケアへの理解が広がり、在宅医療を取り巻く環境も大きく変わりました。
金ねん新型コロナウィルスの感染拡大で人と人とのふれあいは減りましたが、命のケアはリモートではできません。患者さんに命を生き抜いてもらうためにも、これからを担う若い世代に心と命の哲学をしっかり伝えていかなければと思っています。