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ひと粒の種

 JAフルーツ山梨会報2015年10月号より
「ひと粒の麦の種、死なずんば」という有名な一節があります。それをふと思い出す出来事がありました。

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 初夏にホームセンターに寄りました。時期的に家庭菜園用の苗はほぼ売り切れ、終了近くなっていました。数個売れ残った苗は、じりじり照りつける日差しの下、かなり枯れて哀れな姿で売り物には見えませんでした。係のおばさんがまとめてゴミ箱に捨てる直前でした。値段はクリアランス特価。一鉢20円!一緒に居た夫に頼みました。
「メロンの苗をあなたの畑に植えていい?」20円の獅子唐の苗を夫は買い求め、メロンの苗も受け入れてくれました。
「無事に育つかなあ…」と心配しながら面倒をみてくれました。
 そして今、枯れそうで危篤状態だった苗は酷暑の中すくすく育ち、何個もゴロゴロ実がなりました。食べてみると、上品な甘さのメロン!とても嬉しく喜びに満ちました。しつこい内藤先生は種を綺麗にキープして、来年は種から育ててみます。
 夫に感謝したら、笑いながら「メロンはよく生き抜いたね。しかし獅子唐が欲しかったのに、なってみたらピーマンだったよ」
ですって。大笑いしました。これもたくさん収穫。美味しかったです。
 野粟もフルーツもお店から買うことの多い私たちは自然から遠く離れて暮らし、自然の中のいのちのたくましさと不思議さに触れることは多くありません。
 農家のみなさんは、私たちかこんなことにびっくりするのに戸惑うのではないでしょうか。
みなさんはいのちの奇跡に毎日向き合っているのですから。いのちは奇跡の可能性をいつも必ず秘めています。諦めてはいけない。それを改めて教えてくれたメロンでした。
 厳しい天候の中で働くみなさん!健康の第一は体(時々休ませる)、そして呼吸(深呼吸を)。最後に心の持ち方(明るく前向きに)。
<調身・調息・調心>
 どうぞ、いのちの奇跡に囲まれて息長く働き続けて下さい。