エッセイ

食べるものが美味しいから、あっちには行けそうもないねえ

雨がふって、外気はしっとりしています。


明け方、息を引き取った患者さんのもとへ行ってきました。
具合が悪かったのは2日ほど。
本人の希望通り、何とかご家族と共に支えることができました。
大往生でした。昨日往診した時も、
「先生、ありがとう。まだまだ食べるものが美味しいから、あっちには行けそうもないねえ」
と微笑みました。
最後の食べ物は完熟トマト。
美味しい!と声をあげました。
まさしく、3日前の「産声をあげる時、息を引き取る時」の講演会で聴いた、
ゴロゴロ、
パクパク、
びくびくしない
という三原則を体現した方。
ふくよかな体格のまま旅たちました。
身内が集まっていました。
私は死亡診断書を14歳の孫さんに渡しました。

「おばあちゃんは立派に人生を終えました。みなさんと一緒で幸せでしたね。
これはおばあちゃんのこの人生の卒業証書です、あなたが代理で受け取ってね」と。
彼女は涙を拭き、真剣に受け取ってくれました。囲む身内が拍手しました。
素晴らしい幕引きの時。

さあ、これから講演会に行ってきます。
雨が上がってきました。

内藤いづみ


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