永さん家族に囲まれ永眠

2016年7月13日読売新聞より
今月7日に死去したタレントの永六輔さん(83)と約20年間交友のあった甲府市の在宅ホスピス医、内藤いづみさん(60)が12日、読売新聞の取材に応じ、「人の心の機微に通じた人たった。覚悟はしていたがさびしい」と悼んだ。病院ではなく、自宅ご家族に囲まれて死にたいと話していたという永さん。内藤さんは、永さんが希望をかなえたことについて「家族に最期まで自分の生き方を見せる大仕事を成し遂げた」と話した。

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交友のホスピス医 「生きる姿見せてくれた師匠」
内藤さんが永さんと知り合ったのは2000年頃。永さんは父を病気で亡くした際、本人の希望通り、自宅でみとることができなかったことに疑問を感じ、家族が家でみとる終末期の在宅ケアに興味を持って、内藤さんに会いに来たという。

内藤さんはイギリスでホスピスについて学び、県内にも死の不安を和らげる在宅の緩和ケアを広めようとしていたが、理解が広がらなかった頃だった。その後、永さんが県内で行った講演で内藤さんの活動を褒めちぎっていたことも知人から聞き、内藤さんは「最大の味方」と思い、自信を持って活動を続けることができたという。

2人で全国に講演に行くことも増え、医療や老後についての共著も出版した。連絡はもっぱらはがきで、旅先の北海道から「雪の中寒い旅です」とのはがきが届いたり、パーキンソン病を患った後には「だんだんパーキンソンと仲良く…」と書き送ってきたという。

内藤さんが最後に永さんと会ったのは今年6月14日。都内の自宅に見舞いに行くと、深い眠りについていた。永さん、来たよ」。話しかけていると、帰り際、永さんは一瞬目を開けてにっこりほほ笑んだ。
内藤さんは永さんは家族に囲まれて今すごい幸せなんだ」と救われる思いがしたといい、「晩年は病気やけがが多かったが、頑張って生きる姿を見せてくれた。私の師匠です」と語った。
また、永さんは甲府市中央の芝居小屋「桜座」に内藤さんとのトークショーなどで出演もしていた。龍野治徳事務局長は「博識だけど上から目線のところがない。もっと話を聞きたかった」と惜しんだ。