講演のお知らせ

開催報告 2009年9月5日 足利市

栃木県足利市で、女と男のフォーラム実行委員会主催の講演を行いました。講演のあと、主催者から「かけはし」という冊子をいただきました。その中に掲載されていた講演参加者様の感想文を掲載し、開催の報告とさせていただきます。


在宅ホスピスは、ありがとうとさようならがひとつになるところ
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 美しい富士山を眺める山梨県から内藤いづみさんをお招きして講演会を開きました。
先生は、日本を代表する在宅ホスピス医師で、在宅医療のより良い在り方を学び、広めていらっしやる方です。昭和61年から平成4年まで、イギリスに留学してホスピスの研修をされました。まだ日本ではホスピスという言葉さえあまり聞かない時代でした。
 では「在宅ホスピス」とは、一体どういうことなのでしょうか。
 先生の言葉を借りると「主にガン患者の方々が、最期まで自分らしく生き抜きたいということを可能にする活動」なのだそうです。
 先生が医師として働き始めた頃、l番苦しんでいた患者さんは末期ガンの方々でした。当時は告知を一切されず、何が何だか分からない苦しみと痛みの中で、多くの患者さんが生きる希望を最期まで持てないまま亡くなっていったのです。
091203_05.JPGそこで先生は、何かと遠慮をしなければならない病院ではなく、自分の家族とともに自宅で最期まで生き抜くという在宅ホスピスを学び、啓蒙活動を行うことにしたそうです。
「生まれることも、死ぬことも、人に与えられた権利なのです」という先生の言葉が心に残りました。
 現在は、ふじ内科クリニックの院長として在宅ホスピス医療に従事され、多くの素晴らしい成果をあげていらっしやいます。
一番心に残った例は、余命3か月と言われながらも10か月も生きのびたお婆ちゃんのお話でした。家族とともに懸命に生き、最期に新鮮な鮎を焼いて食べた後、静かにこの世を去ったそうです。この一部始終は若い女性のカメラマンが震える手で撮影し、テレビ放映されました。
 最後に先生は、ご自分の経験をもとに揺られた絵本を紹介してくださいました。
『しあわせの13粒』という美しい装丁の絵本です。
 先生は「ガン難民、在宅難民」と呼ばれる方々が増えてしまうことを案じ、生まれることも命の最期を迎えることも両方安心してできる社会を目指したいのだそうです。
 そのためには行政の力も必要ですが、当然本人の努力も必要です。ではどんな努力をしたらいいのか。
 その筈えがこの絵本に描かれているのだと私は感じました。
 「自分が恵まれていることを5つあげ、ありがとうと言う」「一日一回、大笑いをする」など、何気ないことですが、私たちに幸せを与えてくれる13粒の言葉が心に沁みてきま
した。
 この講演会では、在宅ホスピスのお話とともに、良く生き、」良く命を閉じること、私たち人間一人一人の命の尊厳について考えることのできる人良い機会となりました。
 「私の師匠は永六輔さんです」とユーモアを随所に交えて、語りにくい死について明るくお話ししてくださる先生は、とても素敵でした。
 時間があっという間に過ぎてしまい、まだまだたくさんお話を聞きたいと思いました。ぜひまた先生が足利に来てくださることを希望します。
貴重なお時間をくださった内藤いづみ先生に心から感謝申しあげます。
(W・A様)
この記事のPDFファイル



2009年9月5日(土)10:00~15:30
足利市民プラザにて
入場無料
申込方法 FAX、メール、電話のいずれかで8月21日までにお申込ください。
昼食は各自でお持ちください。
お問合せ・お申込み
足利市総務部 男女共同参画課
電話 0284-73-8080
FAX 0284-73-8066
e-mail danjyo@city.ashikaga.tochigi.jp
〒326-0823 足利市朝倉町264番地 男女共同参画センター(市民プラザ内)2階
チラシのPDFファイル
10:00~
~高校生と育児家庭~ 子育てコラボ
障害者の自立
誤解から理解へ…いのちにやさしい環境づくり
多文化共生
~多様性~
元気に幸せに納得して生きるために
豊かな老後のくらし
寸劇  13:10~(出演 市民のみなさん)
分科会報告
13:30~14:00
各分科会からの代表者による発表
講演会
14:00~15:30
在宅ホスピス医 内藤いづみ さん
「在宅ホスピスは“ありがとう”と“さようなら”がひとつになるところ」