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いのちの運転法を学ぶ

毎日が発見 2008年5月号より

 今年の連休は久し振りに自分のために使おうと決め、家族、在宅患者さん、そしてスタッフの了解のもとに一週間ほど出かけることにした。
 行き先は福島県奥の阿武隈山地。贅沢で優雅な旅を選ぶこともできたけれど、今回の旅は私にとって特別なもの。在宅で過ごす末期がん患者さんとその家族の不安に、24時間体制で応える仕事の疲れが溜まっていたように思えたからだ。
 自分で選んだ道とはいえ、この仕事もかれこれ20年になろうとしているのだ。ただのんびり休んで、おいしいものを食べて、エステやマッサージを受けるような過ごし方では、その疲れは癒やされない気がした。いのちを見つめてきた私の仕事に相応しく、深く、改めて自分のいのちを見つめる時間にならないだろうか、と考えていたら、ご縁を頂いたのだ。しかし今回の旅は、始まってみたら全く甘くなく、必死な7日間となった。
 「いのちの主人公はあなた自身。最期まで主人公として自立して、歩みぬくのを私たちは助けます」などと、偉そうに言っていた私。そんな在宅ホスピス医の傲慢さは、この7日間の自分白身が積極的に参加する強力なプログラムで打ち砕かれた。
 そこは夢のような場所だった。
携帯電話は圏外。四方をせせらぎが音を立てて流れ、鳥が囀る。山が風で動く。桜が吹雪のように舞う。朝は6時に起床して、名人の指導による心も磨くお掃除。そして体操、ヨガ、瞑想、さらに呼吸法。続いて近くの山へ8kmのロードワーク(私の場合は早歩き)。食事はマクロビオテイック理論に基づいて小食(1日1回夕飯のみ。玄米と少量のおかず)小飲(水分をたくさん摂らない)。よく噛み一口200回)よく運動し、汗をかいて排毒する。
 こうして私の休暇は、ベテランの指導者に守られて、安全に行う半断食セミナーと食の学びとなった。たくさん運動すると空腹は気にならなくなったが、とにかく運動が辛かった。日頃の運動不足を大反省。生きるのに必要な息と眠りと食。その次にくる五感の働き。心の動き。大自然の中のスピリチュアルな空気。いつの間にか、静かに自分の「いのち」に向かい合えた気持ちになった。自分の心身の状態をも左右する食の世界の学びは深そうだ。とにかくまずはフレキシブルに、次のことを守りたい。

 食品添加物を減らす。白砂糖を避ける。香辛料を減らす。油ものを減らす。地元で採れたものを食べる。なるべく未精製のものを食べる。
 これらはみな、すぐにできそうなことばかりだ。薬や医療やサプリメントに頼りすぎず、自分の健康状態を自分で観察する。
 そして自分の体の声を聞いて、バランスを上手くコントロールできるようになれば、自立への大いなる進歩といえるだろう。
 自分の「いのち」の運転法を少し学んだ思いで、参加者たちは若返った清々しい顔つきで帰路に着いた。
これが私の「ひと休み」のご報告。自分の「いのち」の運転法を、ほんの少しだけど学んだ気がした。


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