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イギリス 日常的な心遣い

2015年5月9日読売新聞「伏流水」掲載記事より

150522_01この春は旅の月となった。まず思い切ってイギリスへ出掛けてきた。
久し振りの一人旅。中部地方で一人暮らしをしている91歳の義母と、ロンドンで勉学に励む子どもの様子をみるのも旅の目的のひとつ。
雨の多いイギリスだが、旅の一週間は晴天に恵まれた。
お世話されすぎるのが嫌いなイギリス人らしく、義母は3階建ての家で自立して一人暮らしを頑張って続けていた。
いささかふらつくが、重い機械で芝刈りも自分でする。
高齢による支障はいくつか出ているから、日本だったらとっくの昔にケアマネージャーがケアプランを勧めるだろう。

私はいつも思う。高齢になって介護保険の援助をどう受けるのかは、本人の心身のバランスが大切。時には「助けはいらないよ!自分でできる!」とつっぱねる頑固さも元気で健康長寿を生きる秘訣になる気がする。
ロンドンは世界中の国の人々がひしめき合ってにぎやかに暮らしている。
世知辛くみえる。
しかし、混雑する地下鉄では、遠くに立つ妊婦に向かっておばさんが叫ぶ。
「あなた、ここに座りなさい」。
私が入口でまごまごしていると、青年がスマートに「マダム、お先にどうぞ」と空間を守ってくれる。
よく眺めていると、程よい距離を保ちながら皆、おせっかいの目を光らせているのだ。
おせっかいと頑固さ。
これはかつての日本ではどこでもあった。
今の日本人は臆病になっていないだろうか?
若い世代も年寄りの世代も助け合える未来のためのヒントを集めてみたい。
乳母車を押す若いカップルが目に付いた。パパがベビーをよく世話している。
私の子どもが言う。
「イギリスの若いパパたちは幸せそうだ」
確かにイギリスでは出生率が2001年の1.64から1.91に上昇している。
マイケルサリバン氏の報告によると、移民の増加の要因もあるが、それ以上に子育て世代への支援政策により、各家庭の経済状態が改善したことが大きい。
父親に対しても26週間の産休が認められる。
両親が働き続けられることによる子どもの貧困の改善が図られたそうだ。
西の島国から学んだいくつかの報告。

(読売新聞 伏流水に加筆改訂)


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