エッセイ

2019年秋の約束、岩手遠野にて。

2019年秋、岩手遠野、社会福祉協議会からのお招きにて。
遠野物語の土地。その自然の厳しさも垣間見ました。
お別れの時、再会をお約束しました。
そのあと、コロナ禍があり、再会は2025年の秋になったのです。

近藤正臣と内藤いづみ
2019年秋、岩手遠野にて。近藤正臣さんと。

再会のとき、この本の一章を読んでいただく幸運をいただけました。
いのちの不思議な物語

私が、天下の名優、近藤正臣さんに一章読んでいただいた本です。
前触れもなく、いきなりお願いした、私の厚顔ぶり。
しかし、近藤さんは、怒りもせず、本を静かに読み始めてくださいました。
それは、素晴らしい、命の朗読でした。
その章は「ある、女の一生」

再会の一コマ
ソファで語らう

お家のほとりのバルコニーにて。
バルコニーでの写真

山梨の柿を召し上がって、煙草を一服のあと、朗読をしていただきました。
熟年のプロの熱量に私達はおののきました。
至福のひととき。
近藤正臣と内藤いづみ

実は、私はずっと読んでいただきたかったのです。
近藤さんは、2年ほど前に最愛の奥さまを看取りました。
その後はひとり暮らしを続けていらっしゃいました。
この夏、熱中症などで死線をくぐりました。死生観に磨きがかかったようです。

近藤正臣と内藤いづみ
片道4時間かかった郡上への旅路でしたが、仲間と共に、再会が、果たせて私はほんとうに幸せな時間を共有いたしました。