エッセイ

エッセイ

梅雨の終わり

甲府盆地を北に抜けた町の日陰では、まだ紫陽花が咲いていた。 何十年もの樹齢?らしい。美しい存在感。 雨の少ない梅雨だったがそろそろ梅雨明け宣言。 紫陽花にはごめんね、とつぶやいた。 このお宅の床の間の掛け軸は、白雲洗心。

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エッセイ

母への伝言

誰でも母と自分の最初の思い出があると思う。 私も思い出すひとこまがある。 4歳の頃だろうか。冬だった。 その頃母は、新装開店した食料品店が忙しくて、一緒にご飯を食べる暇もなかった。 私はそのお店に行って母の仕事が終わるの

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