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看取りは命のたすきリレー

(房日新聞2018年9月23日より)
在宅ホスピス医の内藤いづみ意思を招いた講演会「看取りから学ぶ命のメッセージ あなたはどんな人生を送りますか?」がこのほど鴨川市にある亀田医療大学みずきホールで開催された。


同市社会福祉協議会が主催、鴨川市、県社会福祉協議会が講演、同市ボランティア連絡協議会の協力で開催。同市内を中心に遠くは船橋、市川などから20~80代の男女約130人が聴講に集まった。
講師の内藤医師は、平成7年に山梨県甲府市に内科クリニックを開業。NPO法人日本ホスピス在宅研究会の元理事で、ホスピス在宅ケア研究会やまなしの代表を務めている。著書に「あなたがいてくれる(佼成出版社)」「いのちの不思議な物語(同)」「しあわせの13粒(オフィスエム)」がある。
講演では医師として立ち会った看取りの経験などを交えながら、持論を展開。看取りにより次世代につながっていく命を駅伝に例え、「人生は長距離走。つないでいくのはバトンではなくたすきと説明している」などと語った。
在宅での臨終に立ち会った際に、家族で最も年齢が若い子どもに「人生を生き抜き、こうして命を終えた。私の死亡診断書は、人生の卒業証書」と言葉を掛け、死亡診断書を渡していることなども紹介した。
会場では、ラジオやテレビで多彩な活躍を見せた故・永六輔さんを通じ、内藤さんと交流を持つようになったというフォークシンガーの小林啓子さんも登場。内藤さんとのトークで、自身が母親を看取ったことを語り、聴講者と一緒に童謡の「ふるさと」を合唱するなどした。
聴講者は「義理の両親を看取り、もやもやとした気持ちを抱えていたが、講演を聞き、気持ちがスっとした気がする」「死に対する恐怖が薄くなった」「自身の最期について、心の準備をしながらも、今を精一杯楽しく生きたい」などと話していた。