開催報告 2026年5月27日 ソウル
2026年5月26日から29日まで韓国ソウルを訪問した。発刊記念の講演会が開催されることになった。
韓国には学会などで3回ほど訪れており、20年ぶりの再訪。
韓国のチームによるテレビのドキュメンタリー撮影の縁が8年前から続いていた。
8年前の作品は「幸せな死」というタイトルで放送されて好評だった。
続編作成を願っていたが、途中、コロナ禍で会えなくなった。私は友情を心の中で繋げていた。
そして、2025年、再会の夢は叶い、6月から10月までドキュメンタリー撮影が敢行された。
患者さんや、ご家族の大きな協力をいただいた。

作品は山梨県の素朴な自然の中に、命がきらめき、老いも若きも、命に一生懸命向かい合う姿が捉えられた。
高ヒヨン監督と2人のカメラマンのプロとしての仕事は見事だった。私を最初に見出してくれた駐在員の趙さんも、優秀な通訳として援護してくれた。
共に時間を過ごす。一緒に笑い、たまには涙ぐむ。一緒に食べる。
一緒に飲む。心はどんどん近しくなった。いのちの仲間になった。
何より、国が違う方々が、私が30年以上続けてきた在宅ホスピスケアの実践を心より尊敬してくださったことが嬉しかった。
諦めずに、コツコツ啓発活動も頑張ってきてよかったと思った。
励まされた。

ドキュメンタリー番組は前編、後編で2025年の年末に韓国で放送されて反響を呼んだ。
その影響も働いて私の著書「死ぬ時に後悔しない生き方」のハングルへの翻訳本が韓国、心の森出版社から発刊されることになった。
病院医療が主流の韓国で、いよいよ在宅ケアが今年から始動するタイミングだった。
それも追い風になって、すぐに初版は売り切れた。
「死」に触れることはタブーの風潮も韓国ではまだあるようだった。
それは20年前の日本も同じ。
「死」と書いて「いのち」と読む、そんな私の主張も含んで、地味に、しつこく、講演活動、著作活動も30年近く続けてきた。
笑顔で亡くなって逝く患者さんたちやご家族も私を応援してくれた。

韓国ソウルの人気施設COEXの中にある、ビョルマダン図書館での講演会が決定。
5月27日、韓国でも、いつものように、いのちの話しをする。ワクワクした。
死は暗黒の恐怖ではなく、生き抜く先にある人生の幸せな仕上げであることを。
一人でも、幸せな人が増えてほしいと願いを込めて、語ろうと思った。
ビョルマダン図書館は度肝を抜くデザインだった。たくさんの蔵書。日常に織り込まれた読書場面。
幼少期から本の大好きな私に、本の神様がこの時をプレゼントしてくださったようにも感じた。

聴衆の皆さんは、熱心に聴き入ってくださり、ときには大笑いし、時には涙ぐんでくださった。
日本から駆けつけてくれた長年のファンの一人は、心配そうな顔で私をみつめていた。
「いづみちゃん、しっかり。頑張って!」
と、ここに居たら、ハラハラしながら応援するだろう、私の亡き母を思い出した。彼女の表情は母に似ていた。
「私は大丈夫、たくさんの人が応援しているから」
私はこれまで1500回の講演の積み重ねを胸に、自然体で話せたつもりだ。

新刊を真似たバースデーケーキがプレゼントされた。
6月は私の誕生日。みんなでお祝いしてくれた。
こんなによくしてもらっていいのかしら?と涙が滲んだ。
ソウルの四日間は濃くて豊かに過ぎていった。
すべてに感謝を込めて帰還した。
追伸
光化門近くで、チマチョゴリに着替え、宮殿を散策した。
チマチョゴリは可愛いくて、エレガントで素敵な衣装です。
