ホスピス記事

第33回 日本死の臨床研究会に参加して

2009年11月7・8日に名古屋で開催された第33回 日本死の臨床学会に講演者として初めて参加いたしました。感謝を込めてご報告を記します。内藤いづみ


「生と死」について公の場で語り合う集まりとして出発して33年の日本において、最も歴史ある研究会のひとつである。
私は演者として初めて参加させて頂いた。
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時代の変化と共に、一般の市民の参加も開始され年々参加者が増えて、今年は3000人を越えた。今回も元気な女性たち(看護職)の姿が目立った。
大会長の佐藤 健さんのお力もあり、オカムラアキヒコの足跡を辿りながら、ホスピス源流を振り返ることが大会の大テーマとなった。
オカムラアキヒコのことを知らない世代も多いので、今回の学会によりアキヒコ学の新たな種まきになったと思う。
オカムラアキヒコの智の仕事を継承する米沢 慧さんが心に迫る特別講演をして下さった。
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報道写真家でもあったオカムラの足跡を辿るために会場には「戦場からホスピスへ」のテーマでアキヒコの部屋が設けられ、迫力のある報道写真の数々とたくさんの文献、資料が手に取れるように展示されて圧巻だった。
アキヒコが亡くなる直前の訪問インタビューも放映され、部屋の中にはアキヒコのエネルギーが充満した。
アキヒコのいのちへのメッセージは古さを見せず、常に先進的で新鮮で驚かされる。(世の中がそんなに質的に進化しなかった、ということだろうか?)
自然な流れで、私と米沢さんの共著「いのちのレッスン」もこの研究会に間に合って出版された。
今回の私の役目は、ホスピス界の重鎮、柏木哲夫先生との初めての対談であった。
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いのちの現場に働く者たちが、患者さんとの平等意識を育てつつ自分もケアして、良い仕事を続けていくためのヒントになったのなら幸せである。
柏木先生は優れたユーモアの持ち主なので、お互いに笑いを織り込み、緊張感のある綱渡りをしながら1時間のライブ対談を思い切り疾走した。
私との掛け合いを快く受け止めて下さった柏木先生と、隙間を埋め尽して床に座ってまでも参加して下さったたくさんの皆様に心より感謝申し上げる。
懐かしい友人たちや恩人にも会えて充実した2日間だった。
PB080056.jpg(柳田邦男さんと)
もちろん、名古屋名物のきしめん、手羽先揚げ、味噌カツはしっかりと味わった。
運営委員の皆様、ありがとうございました。