講演告知

人の命に触って共感する

120309_05.jpg2012年3月6日山梨日日新聞「震災後を生きて(下)」より抜粋
 「命は、そばに行って触って、感じて、ぎゅっと抱きしめないと分からない」
20年余り、在宅ホスピス医として終末期の人々と向き合ってきた内藤いづみさんは、「命」をこう表現する。


命は、本を読んだり、映像を見たりしているだけでは理解できず、相手の鼓動を感じなければ分からない。多くの人が被災地に行き、被災者の命に触れてほしいと思っている。
相手の命に触れた時には、摩擦や反発も起こり、時には涙を流すこともある。
 「そうやって命を味わっていかないと、人を思いやる気持ちは生まれない」
東日本大震災では、たくさんの人が命のはかなさを実感し、大切な人を失った被災者は心に大きな傷を負った。今必要なのは、人を思いやり「共感する力」と考える。
震災後には、被災者の痛みに共感し、自分にできることをしようと多くの人が行動したが、その中で気になることがある。
「被災者に共感することは大事だけれど、病的な共感はどうか。同情しすぎて自分を見失い、健全な判断ができなくなった人も見られる」
 相手の苦しみや悲しみにのみ込まれては、自分も転げ落ちてしまい、被災者を支えることはできない。そうならないためには、人とつながることが大きな役割を果たす。
  「人は一人では生きられないから、つながることが大切。つながる努力をして、いろいろな人と接することで、本当の共感力が付いていく」
もう一つ大切な要素がユーモアの力。
 「『にもかかわらず笑うこと』で、違う視点からものを見ることができ、余裕が生まれる」。
終末期の厳しい状況の中でもユーモアに励まされる患者の姿から、その力を実感している。
福島市にある福島県立医大で6年間を過ごしたことから、被災地への思いは深い。義援金や医薬品を送るなど支援を続け、今年1月下旬には同市を訪れた。被災者との交流会のほか、エッセイストの永六輔さん、医師で作家の鎌田貫さん、フォーク歌手の小林啓子さんとともに講演会を開いた。
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旧知の仲である永さん、鎌田さんとは笑いにあふれた対談を通し、人がつながることの大切さを伝えた。チェルノブイリ原発事故の被害者の救援を行う鎌田さんは、放射能について説明し、福島の地で生きていくために必要な心構えも語った。
震災直後から十分な情報がなく不安の中に放り込まれてきた福島の人々は、今も見えない放射能の恐怖にさらされていた。その中で、あらためて感じたのは「情報を得られなければ、未来は選択できない」ということだ。
「震災を機に、国や他人任せにするのはやめて、自分たちがこれからどうすべきか、一生懸命考えてほしい。人生の主人公は自分なのだから」
震災以降、命の大切さが叫ばれ、生きる意味が問われている。生と死に向き合ってきた在宅ホスピス医として、すべての命を大切にする輪を広げていきたいという思いを強くしている。
「限りある命と向き合い、命をどう輝かせるか。私自身もさらに学びながら、命に感謝し、大切にする種をまいていきたい」


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