箱根ばら

スコットランドで見た、野薔薇に似た可憐な箱根ばら。
愛らしく、清楚。
昨日は静岡の朝霧高原から、初老の御夫妻が訪ねてきてくれた。


３０代で亡くなった娘さんの命日に近かった。
ご縁があり、治療について、色々アドバイスしたり、最期の日々は諏訪中央病院ですごせるようにご紹介した。
毎年命日が近くなると、懐かしくなってこちらの地方を回ってくださる。
お父さんの方は娘さんが亡くなってから、油絵で風景を描くことに夢中になった。
私も赤富士の絵をいただいた。
描いているときは、泣かなくてすんだからね～と穏やかに今は笑えるお父さんの目が滲んだ。
いつになっても悲しみがなくなることはない。
でも、一生懸命、今を生きることでしか娘に誇れないもの、とお母さんの目も滲んだ。
娘の声を忘れそうになり、焦ったこともあるの、でもすぐ、
おかあさん！
という声が蘇って安心しました。
こうして訪ねてくださるご縁に感謝して、また来年！
と手を振って別れた。