今日のつぶやき

太白さくら

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濃い出来事がたくさんあった一週間だった。
疲れた顔をしていると、三年前に亡くなったKさんの奥さんが春の蕎麦パーティーに招いてくださった。
場所は高根町下黒沢の古民家。

Kさんは企業の社長まで勤めた方だが、薔薇の園芸と蕎麦うちにこだわりと才能を示した。
引退後、蕎麦屋を開店。蕎麦好きの集まる店になった。
そして、蕎麦打ちも愛好家たちに教えるようになったという。
蕎麦好きのおじさんたちは哲人のような面もちでこう言った。
職場ではいつも上下関係がありましたが、蕎麦うちの世界ではみんな平等、それがこたえられないんです、と。
なるほど、武士の時代の茶道にも通じているかもしれない。

Kさんの亡くなったあとも蕎麦うちの修行は続いていたという。
場所は甲府から車で清里方面に向かい山を登って40分ほど。
空気の清々しい、きりりとした村。
古民家の入り口には樹齢150年の太い高い太白タイハク桜が強風に揺れていた。
染めよいよしのより遅く咲く花弁の大きな白い桜。
風に吹かれて桜に挨拶をした。

この日は残念なことに着くとすぐ急患に呼ばれて蕎麦の味をみることがかなわず。
味の報告はできない。

リベンジで?
翌日石和の幟のぼりという蕎麦屋さんに寄る。
楢山節考を書いた深沢七郎さんの生家あと。
親戚が蕎麦屋を営んでいる。
赤坂砂場仕込みの更科そば。
するりとのどごしよく胃に収まる。
もちろん玉子焼きもおいしい。

2013年4月30日