今日のつぶやき

また京都へ 

ご縁をいただき、京都の知恩院さんに招かれてお話しに行ってきます。
甲府盆地から京都盆地へ。どちらも蒸し暑い。

今のところ、重症患者さんが小康状態なので遠出できます。
バタバタして、やっと甲府駅からJRに乗り込みました。
涼しくてホッとします。色々と思い出が蘇ります。

先月の70代の末期癌患者さんは家に帰って6日間でしたが、思い出は濃いです。
存在感のある男性でした。
転移のために腸閉塞なり、何も食べられず、点滴だけ。
鼻から管をいれてましたが、心は元気。
最期の息まで、いきいき生きるという、釜石小学校の校歌を思い出します。

往診の私へのお土産は100粒のアーモンド。
先生、テレビでみたけど、これを食べると癌にならないって、と私に渡してくださいました。
笑顔は底抜けに明るかったです。

そうか、改めて見えてきた。

みんな治らないなんて、始めからわかっている。
つらい抗がん剤にすがったのもそれが希望だと思ったから。
効かなくなると、医療者はいのちに向き合ってくれず、患者はすがるものを失ってうろたえた。
不安が募った。でも、最期までいきいきと生きたい、最期までいのちの希望を燃やして向かい合ってくれる人たちに出会えて笑顔を取り戻した。

大丈夫、最期まで。

その男性患者さんが人生の最期まで見ていた大好きなお庭