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今日のつぶやき 2009年5月15日

5月11日午後、四谷の上智大学に講義でおじゃました。100名以上の若者たちが、初めはびっくり?としかし次第に熱心に参加してくれた。私にとっても若者の可能性を信じられる時間になった。たくさんの感想も質問も頂いた。以下はその答えと礼状である。

上智大学文学部新聞科の皆様に

先日は熱心に聴講して下さってありがとうございました。
皆様の若いエネルギーは、講義中にも私に伝わってきました。

感想文を読み、とても力付けられました。笑顔の力に気付いてくれた方も多く嬉しかったです。私自身、自分の宇宙としての家庭を持ち、3人の子育てをしながら、山あり谷ありの暮らしの喜びと苦しみ?を味わうことが、患者さんを暮らしの中で支えるための私の力にもなっていると感じています。自分も自分の人生をしっかりと歩まなくては、他人の人生には向かい合えません。私は臨床家なので机の上の理屈家ではなく、生きた人を相手の実践の真剣勝負人です。私のエピソードを聞いて下さって、私が明るい、元気だ、と多くの学生さんが感想を下さいました。

死は人生においてひとつの最後の区切りではあるけれど、絶望ではありません。余命1ヶ月の人へも、余命3日の人へも、今を共に生きる者として、限りあるいのちを与えられた者として、私は平等な立場で向かい合ってきました。いのちある限り、人は「生きたい」と心の底で願うように創られているのだと思うようになりました。いのちは希望そのものなのです。

医師になろうと決心したのは14歳の時。人間に近い仕事に就きたい、と思いました。その頃医師であり作家でもあった、安部公房の本を読んだりしました。在宅ケアに携わっている医師は昔より増えましたが、在宅ホスピスケアを本気でしようと思っている人は多くないと思います。最近の開業医へのアンケートでも、在宅ホスピスケアはあまりしたくない、という割合がかなり大きく出ています。大変だからでしょうね。

在宅ホスピスケアをする医者は完全な自由時間を持つことがあまりできません。しかし、細切れの時間でも自分の心身をリラックスさせる工夫が必要。自分の時間をコントロールする力が必要。自分の五感を鍛える逞しさも必要。みずみずしい感性を枯らしてしまったら、いのちに向かい合うことはできないのです。趣味のひとつで私は映画も15歳からずっと好きです。ぜひ「グランドトリノ」と「天使と悪魔」を観ようと思っています。

ではまたお会いできる時まで、さようなら。お元気で。
内藤いづみ

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