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ホスピス医・内藤いづみさん電子書籍出版

110525_02.jpg山梨日日新聞2011年5月22日より
在宅ホスピス医内藤いづみさん(甲府・ふじ内科クリニック)が電子書籍「いのちのあいうえお」を出版した。末期がん患者や家族らのケアを通じて出会ってきた言葉を、かるたのようにあいうえお順に並べ、それぞれにコメントをつけている。


「あ」…「愛は計れるの?」。
妻ががんを患う70代夫婦のやりとり。「愛してるなんてはずかしくって言えないよ。俺は江戸っ子だよ」「愛がはかりで計れたらいいのに」
「た」…「『ただいま!』と13歳の息子が勢いよくドアを開けると、深い昏睡状態だった女性の口から『お帰りなさーい』と母親の声が出た。
110525_01.jpg末期がんになり、最期の日々を家で過ごしていた45歳の母。元気に家に帰ってきた息子へ、昏睡状態のまま掛けた言葉だ。
 「言葉の1つ1つがキラキラ輝くいのちのしずくのよう。医師人生で出会ってきた、そんな言葉をまとめたかった」と内藤さんは話す。
昨年2月、何げなくかるたのように言葉を並べていたところあっという間に50音がそろった。
内藤さんがそれぞれの言葉にエピソードやコメントを添えた。10年来の友人という東京都在住のアマチュア写真家美川瑛一さんが撮影した北海道美瑛町の風景写真を背景にした。「美しい風景と言葉のどちらからも癒しを感じてもらえると思う」
「いのちの言葉」かるた風に闘病患者の会話つづる
コンピューターに近づかない「アナログ人間」だったという内藤さん。
これまでの著書は12作を数えるが、電子書籍化は初めて。
「スピード感や情報の広がりなど、ITのプラスの部分を知った。今までかかわることのなかった人たちにも、私のメッセージが伝わるのではないか」と期待し、新たな情報発信の道具として選んだという。
「よ」・・・「夜の暗闇は怖い。明かりを点けて寝る」。闘病中の43歳女性は、夜の暗さと死を重ね合わせて怖がった。内藤さんは「患者さんたちと出会っていただいた「いのちの言葉」ばかり。多くの方々に共鳴してもらえるのではないか」と話している。
 背景の写真はそのままの大きさで、文字だけを拡大することも可能。すべてのページで内藤さん本人の朗読を再生できる。価格はiPad / iPhone版 千円。