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「新・しあわせの13粒」その6

JAフルーツ山梨広報誌「ふるーつふる」68号より
ドクターいづみのセルフケアエッセーvol.14~元旦号~「新・しあわせの13粒」その6


 輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。私も「ふるーつふる」に書かせて頂けて本当に光栄です。現代は多くの課題が次々と現れますが、知恵と努力で毎年見事なフルーツを世界に送り出していらっしゃる皆さんの姿を拝見し、尊敬の念が沸いております。どうぞ心身のケアをしながら、今年一年も豊かにお過ごし下さい。そして、更に幸せになって頂けるヒントをお送りします。

『新・しあわせの13粒』
10粒目 欲張らない

 マザーニアレサは二十世紀の偉大な人物であり、今になって、改めてその言葉に接すると、人類愛の大きさ、深さに
共感し、心の支えになっています。『マザーテレサ 日々のことば』(女子パウロ会発行)は、何度も読み返す本ですが、いつも心に留めている言葉があります。抜粋します。
「私たちは、つつましい仕事から離れてはいけません。(中略)偉大なことができる人たちは世の中にたくさんいます。けれど、つつましい仕事をする人たちはほんとうに少ないのです」
 欲望は無制限。どんなに物を得ても心に乾きをもたらします。自分が今、持っているもの、出会った人を見つめ直し
てみましょう。つつましいことの素晴らしさ。それは何と貴く大切なことか気づくはずです。
 一杯のお茶、一杯の水でも心から「おいしい」と思えば、しあわせになれます。「ありがとう」の笑顔をたくさん周りの人に出してみましょう。
自分の与えられた身近なものの輝きに気づいた時、あなたは一番しあわせになれます。
 太陽と自然に触れて働いている皆さんなら、恵みの大きさをしっかりとおわかりのことでしょう。

11粒目 1日1回、大笑いする
 在宅ホスピスの患者さんに「笑顔」を取り戻すことが、私の仕事の重要な部分だと思っています。痛みが緩和された
患者さんが、家族と微笑み合えるようになるよう支えたいのです。
 あるお宅に往診に行き、診察が終わったときのことです。「先生、テレビ付けていいですか。おじいちゃんの好きなお
笑いをやっているんです」娘さんが言いました。
 ベッドに横たわっている患者さんは、大きな音量のテレビを二コニコしながら見始めました。付き添っている娘さんは、テレビを観てゲラゲラ大笑い。私もつられて大笑い。その声を聞きつけて、隣の部屋にいたお孫さんもやってきて大笑い。なんともにぎやかな在宅ホスピスの場でした。
 このようなことができるのが、在宅ホスピスの魅力です。病院では、周囲に迷惑かけてはいけないと気をつかいますし、家族揃って「アハハ」とは、笑えない雰囲気があります。そこが日常生活の延長の場ではないからかもしれません。
 つらく悲しい時に、ふっと心をゆるめてあげましょう。おもしろいことを思い出してみてください。
 好きなコメディアンはいますか?落語は観ますか?
 「泣くのはいやだ、笑っちゃおう!」ひょっこりひょうたん島の主題歌は私の好きな歌のひとつです。
 ユーモアにはトレーニングも必要です。ちなみに笑いで免疫力を上げるということは、医学的にも証明されていま
す。
12粒目 自分に毎日ごほうびを
 これは、自分を甘やかすということとはちょっと違うと思います。
 私たちは、特に子育て中のお母さん、お父さんや、忙しい仕事をしている方は、もうそれにかかり切りになってしまっ
て、自分自身を大切にするということを忘れてしまいがちです。髪を振り乱して、ご飯もゆっくり食べられずに、大好きな趣味も忘れて、家族のために、会社のために奉仕する。もちろんそれは素晴らしいことです。でも、なかなか続かない可能性があります。なぜなら自分が回復する時間がないのですから。
 体も心も疲れすぎると、大切な家族の言葉にさえ、反応が鈍くなります。仕事に没頭することでしか、幸福感を感じなくなると、重症の仕事中毒、そしてそれが進むと燃え尽き症候群につながる危険性もあるのです。
 ですから、1日1回短時間でいいので、なにか自分がほっとできることを考えましょう。
 ココアを飲んで自分だけで「ああ、おいしい!」という時間でもいいし、大好きな詩を読む10分間を作るだけでもいい、大好きな音楽を誰にも邪魔されずにヘッドホンで聴く時間、花屋さんに行って自分の好きな花を一輪だけ買うのでもいいのです。
 今日は自分のためにバラ一輪。
 明日は新しく見つけた喫茶店でカフェオレを。
 小さな声で「よくがんばったね」と自分をほめてあげてください。
 女性に好評な項目です。今日はダイヤ、あしたはルビーなんてことではなくて・・・(笑)

13粒目 ひとに役立つことを1日1回以上する
 94歳になる頑張り屋の私の母が、時々「つまらない」と言ってため息をつきます。
「どうして?全て豊かに満たされてしあわせでしょう?」
と私か問いかけると
「そうね。夫亡き後、がむしゃらに働き、色んな人に支えてもらってあなた方を立派な社会人に育て上げた。体力は落ちたけど、今も気力はあるの。介護保険サービスもあって人に世話ばかりされるのはつまらない。退屈は嫌なのよ。贅沢をしたいわけではないの。人は何歳になっても誰かの役に立つことをしたいの。それが生きている証だと思わない?」
 母は、朝から晩まで働き、子育ても手抜きをせず、私と弟を育ててくれました。そんな頑張り屋の母の人生の最終章には、どんな人様への役立ち方があるのでしょうか?
「私が見つけてあげるわけにはいかないの。それは、お母さん自身が見つけなくてはいけないの」
「あんたは厳しいねえ。そうね、どう役に立つのか自分で考えるよ」
 人は自分の人生に責任があるのです。「それを教えてくれたのはお母さんでしょう?」という言葉を私は飲み込んで、母を見つめました。
 母の存在が充分私たちのために役立っていると感謝しつつ。
 ひとはひととのつながりなしには生きていけません。どんなに年をとっても「何かの誰かの役に立つ」ということが人生を支えてくれます。


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